ギョグゼギボビビビ

頭の中で考えて行き先がないものを置いていくブログです

創業100年を超え、従業員4000人を超える大企業をなぜ辞めたのかという話

転職して1週間ほど経過してよく聞かれるのが、「なんで前の会社を辞めたんですか?」という話でした。

 

中にいた人間からするとあの会社にいたら人生棒に振るかもしれないという危機感があったのですが外の人はそんな内部事情を知らないことにようやく気づきました。

自分の頭を整理する意味合いも込めてなぜ前の会社を辞めたのか振り返ろうと思います。

 

私が新卒で入った会社は日系の大手電機メーカーでした。

入社日に覚えていることは2つあります。

1つ目は父親から「入社おめでとう、これからの人生はマラソンです」というメールが来たこと。2つ目は新入社員の前にズラリと並んだ役員連中を見てなんかイケてないなぁと感じたことです。

だから入社初日の時点で40年働いて定年退職を迎えるというのはすでに頭の中にはなかったのかもしれません。

 

退職というかここにいてもろくなことにならないなと感じだしたのが2017年あたりでちょうどそのあたりは私がビジネス書を読むようになり、モバイルSuicaオートチャージを始めた頃です。

モバイルSuicaを手にしたことにより当然現金の使用頻度は減ります。そして財布すら持ち歩かない日も増えてきました。

私の所属していた会社は現金決済を円滑に行うための装置を作っており、それが会社の大きな売上の柱にもなっていました。

売上の柱が明らかに時代にそぐわないというのはこれからこの会社が沈んでいくんだと思わざるを得ない状態です。

 

その後面倒な上司の出現なども転職の後押しをしましたが、それ以上に社内の事務処理がどんどん増え、年を追うごとに働きづらくなっていったのも大きな理由です。

しかも明らかにこの人会社に対して何も生んでいないよなという仕事の人もどんどん増えてきており、逆に対顧客で働く前線の営業が減っていきました。

なぜそんなことが起きたかというと詳しくは言えませんがコンプライアンス違反を営業のある馬鹿者が犯してしまい、営業が監査会社から一切信用されなくなってしまいました。

だから営業がもらってきた注文書が本当に正しいかを確認する部署が作成され、そこに本来営業であった人たちが異動しました。

つまり対応する顧客の数は減っていないのに営業の人員は減ったのです。

しかも営業は注文書をもらって社内のあるシステムに登録してから間接部門に確認してもらってようやく手配がかけられるようになりました。

だから1件あたりの手配にも時間がかかります。

営業スキルとは以下に顧客にうまく提案し、受注を取り売上を上げるかだと思います。

 

顧客が増えて手配に時間がかかる、しかも人が全体として減ったわけではない、おまけに売っている製品は近い将来間違いなく廃れる。

簡単に言えば、働いている業界もやっている仕事もどちらにも将来性が無くなったということです。

 

これだけの要因があれば続ける理由を見つけるほうが難しいです。

今のところは給料も休みも安定しているというか休みが多い割に給料も多い状態だと思います。

しかしあと10年後同じ状態が維持できると思わないし、なにより会社が潰れないことを祈り、新しいこれからの社会を良くする勢力の足を引っ張るような仕事をすることになりそうな気がして非常に後ろ向きな未来が見えたので転職を決意しました。

 

転職を前の上司に伝える時に会社の将来性が原因の一つだという話をしたら「この会社が将来何を作って売るかも考えるのがお前らの世代の仕事じゃないのか?」と言われたときは驚愕しました。

いや、業界としてもう役目は終わったんだよ。。と伝えてあげたかったですが40代中盤でこれから転職も難しいであろう人にそんな残酷なことをいう気にはなれなかったので

すみませんとだけ言いました。

この会社が何でもできるスーパー企業だと思っていたのでしょうね。

一つだけこのブログから伝えてあげたいのは、私以上に若い世代は私よりももっとこの会社に期待していないよということです。

 

一応それなりの期間働いてきたし、同期の一部とも仲良くやっていたのでできるだけ転職して感じるリアルを伝えて何か役に立てばと思っています。

あの会社にいる30代前半までの人は全員転職してもっと良い業界に行き、本当に求められている仕事に力を注ぐべきと真剣に思うし、それをしないと日本やばくね?と感じています。