大阪都構想の討論番組を見て
11月1日にいよいよ大阪都構想の第二回住民投票が実施されます。
東京に住んでいるとそんなに情報が入ってきませんが、
大阪ではいろんなワイドショーに各政党の代表者が出演し、討論しています。
私自身、過去に大阪に住んでいた経験があるので、大阪都構想についてはとても興味深いし、偶然1日に関西に行く予定があるため歴史的な瞬間を現地で迎えられるのではないかと期待もしています。
先に言っておくと大阪都構想については賛成派です。
しかし、最近の大阪都構想についてのワイドショー内での討論会を見て、これは否決する可能性が高そうだなと感じています。
大体ワイドショーに出演する政党は決まっており、維新、公明の賛成派と自民、共産の反対派です。
東京に住んでいる人からすれば自民と共産が手を組む世界がこの世にあるのかと思うかもしれませんが、これが今の大阪府です。
さて、討論の内容ですが、大体どの番組でも真っ先に議論になるテーマで財源があるか否かという点からスタートします。
当然ですが維新、公明は財源はある、自民、共産は財源はないと答え、お互いにやり取りします。
この財源をきっかけに住民サービスが落ちる、落ちないという点にも話が行くわけですが、この時点ですでに自民、共産ペースであることがわかります。
大阪市を4つの特別区に分けて、住民サービスが落ちるか現状を維持するというのはつまり都構想が可決しても0かマイナスという話になってしまっています。
ここで松井市長が自民党に対し、今の住民サービスを作ったのは我々だ、お前らはろくな府政、市政をやらずに大阪をとんでもないことにしたじゃないかと大げさに言えばこんな感じのことを言います。
維新の実績はすでに住民は評価しているはずです。
だから橋下徹氏の時からもう10年ほどずっと大阪府、大阪市共に維新の会が与党であったわけです。
これが府知事選、市長選ならいいです。
しかし、今回は大阪市を解体して4つの特別区にするか否かという住民投票です。
いままで大阪市のために維新の会は頑張ってサービス向上してくれた、でも都構想が可決したら自民、共産が言うようにサービス低下するかもしれない、だから維新に大阪市政を任せたいけど、都構想は否決しようという意思になるのも無理はありません。
逆に自民党はうまく他人の実績を利用しているなと感じます。
でも、自民党時代の大阪府政がろくでもなかったことは今回の住民投票においては全く関係ないのです。
いや、関係ないわけではないですね。
今後、大阪府は維新、大阪市は自民となった場合に間違いなく、また二重行政は発生します。それを防ぐのが都構想の目的でもあるのですが、今後維新が負けるかもわからないなんて維新は言えないでしょうから厳しいですね。
さて、ここまで維新が0かマイナスの議論に持ち込まれて厳しいという状況であるという見解を示しましたが、どうすればよいのか考えてみました。
維新の主張は二重行政の解消ということを訴えています。
しかしこれは仕組みにはなっていないものの、橋本松井体制、松井吉村体制で実質解消されていると言っていいでしょう。
だから、都構想賛成のプラス材料になりにくいと感じます。
今からやっても時間はないですが、維新としては都構想したあとの旧大阪市、大阪府の未来をもっと見せるべきであったのでないかと思います。
財源がとか黒字といった数字ではなく、もっとイメージしやすい未来です。
たまたま以前、橋下徹氏が東京である企業のフォーラムで登壇した際の公演を聞く機会がありました。
その時の内容をはっきりと覚えていませんが、一つ印象的だったのは東京は首都高、鉄道がとても利用しやすくなっている、それによって経済にもいい影響を与えているというようなことを言っていました。
逆に大阪はそうなっていない、それを解消するために都構想があるという内容でした。
これなら住民としてもイメージしやすいし、都構想したほうが未来が明るいと感じるでしょう。
二重行政の解消は今すでにそうなりつつあるのでイメージが難しいです。
もし明るい未来でないならそのままだと衰退する大阪の未来を示したっていいはずです。(もちろん嘘はだめですが)
もうあと1週間を切っているので今から何をやっても結果はそんなに変わらないと思います。
ただ、可決されれば間違いなく将来教科書に載るであろう事柄で傍観者として楽しみに結果を待ちたいと思います。