マイ・インターンと現実世界の対比で感じたこと
私の前職で入社したときに配属された部署の本部長だった人は執行役員まで登りましたが、今年の3月でその役職を退任することになり、顧問という事実上の引退となったという話を前職の同僚から聞きました。
事例が出てからすっかり意気消沈してしまったようで、顧客と仲が良くなることを何よりも大切にしていたような人が、取引先との懇親会にも行かなくなってしまうほどだったようです。
それほど執行役員の座が恋しいのか更に上に行こうと思っていたのかはわかりませんが、彼の人生をかけた出世の道はここで終焉を迎えました。
そんな話を聞いた2ヶ月後に見た映画が『マイ・インターン』という映画です。
この映画は70歳となって妻に先立たれていた老人が引退後の退屈な生活から抜け出すためにアパレル系の新興企業にインターンとして入社する話です。
アン・ハサウェイ演じるイケイケの若い女社長付きのインターンとなり、最初は厄介者扱いされるものの周りの人から信頼を得て最終的に社長からも強い信頼を得るようになります。
その過程で仕事ができるというだけでなく、人生のアドバイスなど年の功を感じさせるどちらかと言うと日本人が好きな物語だと思います。
この映画を見たときに前職の元執行役員の話を思い出しました。
おそらく顧問となった今は殆ど仕事をしていない半引退状態だと思います。
私の前職は昨年度からフリーデスクになりましたが、ふと会社に行ったら元執行役員が座っていたらびっくりするけど、とてもおもしろい光景ではないかと思いました。
また、若い営業マンからしたらその執行役員と話すことは絶対有益だし、味方につけておけば部署内の稟議とか進めやすくなるんじゃないのかなぁなんて思いました。
結果としてその元執行役員はロバート・デニーロにはなれなかったのですが、人生において大事なことは今の自分の役職ではなく、自分の役割をまっとうすることではないかと感じました。