ギョグゼギボビビビ

頭の中で考えて行き先がないものを置いていくブログです

出世して金をたくさん貰えれば頑張れるのかという話

今日官僚の労働環境がブラック化しているという本を紹介した記事を見ました。

最近一般企業では長時間労働は以前に比べて厳しく管理され、それは私が働く会社でも同様です。

この長時間労働の話題になると必ず出てくるのが、昔の人は深夜まで働いたとか、休み無しで働いたという話です。

そしてなぜ昔の人は長時間労働に耐えられて今の人は耐えられないのか?という疑問になると「かつての若者はここで頑張れば将来出世できて、給料が上がることがほぼ確定していた。つまり将来に希望が持てたから頑張れた」という仮説が上がります。

逆に言えば今の若者は頑張っても出世できるかわからない、給料が上がりにくい、つまり今の仕事で将来に希望が持てない、そんな中で長時間労働するから病んでしまうということになります。

この仮説を見ると毎回考えます。

もし今の会社で頑張れば絶対に出世できて給料が上がるなら若手は今より頑張って働くだろうか?長時間労働が続いても将来に希望が持てるだろうか?

今働いている会社以外に知らないので、現職でもし上記のようなことが起きたらと想像してみます。私の仮説はもし頑張れば必ず出世できて給料が上がっても若手のモチベーションは沸かないし、長時間働かされたらやっぱり病むと思います。

 

出世できるから頑張れるというのは出世したいと思っているということです。

出世することで幸せになれる、自分のなりたい姿になれるということだと思います。

しかし、少なくとも私の会社の若手で出世したいという人間をほとんど見たことがありません。

いたとしても全く出世しないと恥ずかしいから課長程度にはなりたいというレベルでした。

逆に一切出世しなくても残業が少なくて今の給料が維持できればそれで良い、無駄に出世したくないという意見のほうがよく聞く気がします。

今の若者は金曜日の夜にわざわざ新宿に集まって夜行バスで白馬まで泊まりでスキーに行くような金のかかる休みを過ごさなくても月1000円ほどの動画サブスクリプションがあれば十分楽しめる人が想像以上に多いです。

ブランド物に身を包まなくてもユニクロで十分という人も多いです。

 

また、出世した後の姿を想像するための材料として若手は今の上司を見ています。

頑張って上司になっても結局誰かに怒られてなにかに追われている、頑張ったところでそんな将来が待っているのなら仕事は生活するための手段で休みがしっかりほしいと思うのは当然でしょう。

こんな風になりたくないのに頑張って到達するのが今の上司の姿でやっていることも面白くないというのは確かにしんどいでしょう。

逆にこんな風になりたい、あるいはこんな課題を解決したいといって働いている若い層はおそらく多数の若手サラリーマンに比べて長時間働いているだろうし、休みも少ないと思います。

それでも長時間労働によって病むことは少ないのではないかと思います。

それはやはり目的がしっかりしているからです。

大学受験では土日も休みなく好きでもない勉強をやってもあまり病む人は見たことがありません。

それは大学に合格するという目的があるのと大学で楽しいキャンパスライフを送りたいとかいずれにしても頑張って成果をあげた先の未来に希望を持てたからです。

今は成果を挙げても待っているのはなりたくない上司の姿でそのために頑張るというのはモチベーションとしてきついし、長時間も働かされたら病むのも致し方ないでしょう。

上司連中に今から尊敬されろというのは無理な話なので若手、あるいはこれから就職を控える学生は自分の有りたい姿や目標はしっかり決めてハードワークするにしてもなぜやっているかというのを根幹に置いておかないと今後も病んでしまう人は減らないと思います。