【プロ野球ファン必見】週刊文春 おすすめの連載
週刊文春で毎週連載している「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」がとても面白いので中日ファン、落合ファンはぜひ読んだほうが良いと思い、紹介します。
この連載の最大の特徴は記者が書いているということです。
これまで落合監督時代の選手や落合本人が本を出して中日ドラゴンズ唯一の黄金期について語られてきました。
しかし今回は記者が落合監督時代の中日を語っています。
それもただの記者ではなく、落合と一緒に球場に向かう自動車に同乗することもあるほど距離の近い優秀な記者です。
落合本人や選手の証言は基本的にどこが良かったのかという話になりやすいです。
ましてや本を出すのはプロ野球でも成功した選手です。
余計あの時代の良さを語ることになります。
私自身も落合政権は中日にとって最高だったと思っていました。
しかし、この連載はそこに疑問を感じさせる内容です。
勝ちにこだわる、勝利至上主義、勝つことが最大のファンサービスといったフレーズは聞こえは良いし納得もします。
現に優勝したときが最も盛り上がります。日本シリーズだって満員になりました。
この連載はその勝利至上主義が本当に正しかったのか疑問を感じる内容です。
そしてそこが最も興味深いところです。
落合監督時代があれで本当に良かったのか感じる内容とはいえ、この記者は星野シンパではありません。
星野時代はこんなところが良かったという登場人物は出てきますがこの連載自体は星野や落合の監督就任以前のドラゴンズを支持する内容ではないです。
どうして疑問を抱くのか説明すると少し中身に触れますが、この連載は落合の勝ちにこだわる部分が記者の目から見た光景とチーム関係者から見た光景がそれぞれ記載されています。
落合博満は中日史上最高の監督であるという私の意見は揺るぎませんが、ここまで読んで勝利至上主義であったことは知っているけどここまでやっていたのか・・・というのが感想です。
勝つためにつまらないと言われても初回ノーアウトランナー一塁で送りバントするとかそういうレベルではありません。
もっと言えば勝つためにここまでやって本当に幸せなのか?そこまで追い込んで勝って何になるのか?なんて思わせるほど勝つことへの執念を感じます。
登場人物の証言などでその生々しさがこの連載で表現されており、ただ当事者の意見ではなく、外から見た中を知らない部外者という訳でもない筆者の絶妙なポジションがこの連載の面白さを出しています。
まだこの連載は続いています。この連載が終わったとき、落合政権は本当に正しかったと思うのかそれはまだわかりません。
しかし、一つだけ確かなことがあります。
もしこの連載取り上げる対象が他のチーム、他の監督、ドラゴンズの他の時代であれば興味を示さなかったことです。
パッと見てもよく分からない。これが落合政権の最大の面白い所なのかもしれません。
中日ファンは必見の連載だと思います。