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頭の中で考えて行き先がないものを置いていくブログです

セ・リーグがパ・リーグより弱い理由 後編

今年の日本シリーズも昨年に続いてソフトバンクが巨人を圧倒、4年連続の日本一となりました。

さて、前回はセ・リーグパ・リーグより弱い理由として圧倒的に強いチームが存在したときにそこに対して勝負を諦めないチームの有無がリーグの差になっているのではないかということを仮説として挙げました。

今回リーグ全体、チーム単位でない部分、つまり選手個人の差を考えてみたいと思いました。

普通に考えればリーグで差があるのでセ・リーグからパ・リーグに移籍した選手は活躍できないのが当たり前です。

しかし、セ・リーグからパ・リーグに移籍して活躍する選手もいます。

象徴的なのが大田泰示澤村拓一です。

特に大田泰示は巨人に在籍していたときは一度も規定打席に到達していません。

それが2017年にパ・リーグ日本ハムに移籍してから4年のうち3年で規定打席に到達し、唯一規定打席に到達しなかった2018年もあと20打席ほど足りなかっただけです。

今年シーズン途中に巨人からロッテに移籍した澤村は限られた試合数ではあるものの優勝争いの中を戦うチームの中で存在感を見せました。

今年の澤村は巨人では三軍にまで落ちるほど調子を崩していた選手です。

例としては少ないかもしれませんがセ・リーグでなかなか開花しなかった選手がパ・リーグで活躍する、これはセパの差のヒントになると考えています。

 

野球系のYou Tubeを見ると元プロ野球選手がセ・リーグパ・リーグの差について色々語っています。

その中で気になったのがロッテ、ヤクルト、オリックスに在籍した成瀬善久のコメントです。

簡単に言うと試合中、キャンプ共にセ・リーグのほうがチーム、ベンチからの指示が多くチームの戦略に沿ってプレーすることが多かったようです。

ここで思うのはパ・リーグのほうが自分の能力を出しやすい環境があるのではないかということです。

今年日本一になったソフトバンクで言えば、柳田のフルスイングを見た王会長が打ち方を変えないように言ったのは有名な話です。

また、今年パ・リーグ盗塁王になった周東はパ・リーグで最も失策が多かったものの起用され続け13試合連続盗塁、シーズン自体が120試合しかない中で50盗塁し、盗塁王になりました。

失敗に寛容というか自分の長所を存分に活かした野球に対し、セ・リーグは現時点で対応できていないというのが差になっているのではないかと思います。

 

普段中日を応援している関係でほとんどセ・リーグの野球ばかりを見ていますが、日本シリーズを見て改めてソフトバンクは1番〜9番までみんなしっかり振るのが印象に残りました。

これは昔からパ・リーグの特徴でもあったような気がします。

悪く言えばアバウトな野球で、20年ほど前は繊細なセ・リーグの野球が柔よく剛を制す構図を作っていました。

しかし、ここ数年のウェイトトレーニングなどによるパワー面の進化に戦略や繊細さという部分が完全に潰されているのではないかと思います。

そうなると来年以降セ・リーグの6球団はパワーで対抗するのかさらに戦略を磨くのかというところになりますが、今はかつてと違い、情報はいくらでも入手できてしまう時代なので戦略面で差をつけるのは難しいでしょう。

さらにここ数年野球界の新しい理論をメジャーから持ち込んでいるのもパ・リーグです。

フライボール理論やオープナーなどいずれもメジャー発祥でパ・リーグが先に試しています。

だからセ・リーグ6球団は今までの取り組みでは来年以降も厳しいでしょうし、選手以前にフロントがもっと勝つことを求めなければ今の図式は変わらないでしょう。

来年のプロ野球を握るのは日本シリーズで完敗した巨人に圧倒されているセ・リーグ5球団です。